ロースクール生の日常と法

2022年4月にロースクールに入学した男の奮闘日記です

ep.6 面接官「なぜ世界から核はなくならいのだと思いますか」

こんにちは、村川です。

今回は、公務員試験対策をしていた時の話です。

 

タイトルにもある通りの質問を、面接練習の時に僕はされたわけですが、

その前に、その面接練習に至るまでの話をしようと思います。

 

あれは確か、2019年の10月頃だったと思います(遠い目)

 

大学3年生も後半にさしかかり、予備校の公務員試験講座では座学の勉強だけでなく、

面接練習が始まってきていました

 

それと並行して、各省庁や自治体の、現職公務員の方々が弊学にいらして、説明会を開いてくださることも多くなりました

 

当時の僕は、正直公務員になるモチベがそんなに高いわけではなく、単に消去法で将来を決めていたにすぎませんでした。

 

だから、面接練習が始まってからというもの、完璧な応対をする同級生を横目に、段々ともともと低かったモチベがさらに低下していく、負のスパイラルに陥る日々を過ごしていたのです。

 

それに加えて、大学時代になんの部活、サークルにも入っていなかった僕は、そもそも話せる内容なんてなく、面接練習にも顔を出さなくなってしまいました

 

そんなある日のこと。

一応、国家公務員総合職という試験の対策をする集まり?の一員だった僕は、某省の説明会に参加することにしました。

 

全体の説明会が終わり、

「個別で相談したいことがある人は、この後時間の許す限り答えます」

と、人事担当の方がおっしゃっていたので、僕は当時のありのままの悩みをぶつけることにしました。

 

すると、その方は一言、

「村川さんは、ものごとを難しく考えすぎているんじゃないかな」

と。

 

つづけて、

「もっとシンプルに考えればいいと思うよ」

 

正直、むっとしました。

 

僕だって、こんなウジウジ考えたくないよ。

でも、考えてしまうものは仕方ないじゃないか。

 

同級生は、みんな公務員になる明確な理由をもっていて

それを裏付ける、一貫性のあるエピソードももっている。

 

自分の中で精いっぱいの理由付けやエピソードをつくっていっても、

面接官役の人には、「君のエピソードは弱い」と一蹴されてしまう。

 

じゃあどうしたらいいんだよ。シンプルに考えるたって、実際の物事はもっと複雑じゃないか。

 

今思うと、僕はあきらめる理由が欲しかったのかもしれません

 

もし、その時人事の方が、

「たしかに、人事担当の僕から言わせてもらうと、村川さんは他の受験者に比べて見劣りしてしまうね」

って言ってきていたら、僕はその時公務員試験から撤退していたかもしれない。

 

けれど、その方は、

「エピソードに強いも弱いもない。僕はそんなところで受験者を判断しない」

と言ってくれました。

 

その発言があったからこそ、僕は試験を最後まで受けることができたのだと思います

(結果は全落ちだったけど)

 

ともかく、その答えを聞いた時点で、僕は割と半泣きだったのですが(笑)、

続けて質問しました。

 

「じゃあ、シンプルに考えるってどうしたらいいんですか」

 

僕がそういうと、その方は、少し「うーむ」と考えるそぶりをみせてから

 

「理屈で説明するよりやってみた方が早いと思うから、今ここで練習してみようか」

「...じゃあ、村川さんに質問です。『なぜ世界から核ははくならないのだと思いますか』」(熱いタイトル回収)

 

ここから本題に入るわけです(笑)

 

さて、みなさんは急にそんな質問をされたら、どう答えますか?

 

もちろん、すっと答えられる人もいるでしょうが、大方の人は

話のスケールがでかすぎて、フリーズしてしまうのではないのでしょうか。

 

かくいう僕も、フリーズしてしまいました。

 

(え、そんな質問に答えなんてあるのか? ないからこそ世界から核がなくならないんじゃ...)

(いやでも、答えのない問を今この場で出すわけはないし... ええい、ままよ!)

 

村川「それはですね...人類がまだ木の上で生活していた時まで遡ります

人事「ほう...?」

村川「木の上で生活できるだけの数が飽和してしまって、一部の人類が地上での生活を始めました

人事「...?」

村川「そのうち、地上の資源も奪い合うようになって...」

 

人事「ストップ!...おとなしく聞いてきたけど、いつになったら核の話がでてくるのさ!」

 

村川「ここからですよ!...そして、各群れは自分たちの群れを守るために、武力の強化を始めました」

 

人事「あーそういうことね。...にしても長い!

 実際の面接だとそこまでに辿り着く前に、『あ、もういいです』で終わりだよ?」

 

村川「...(そうは言ったって、最初から話さないとストーリーがないじゃないか)」ムッ

 

人事「いいかい、大事なのは、シンプルに考えること。『自分たちの群れを守るため』でいいの。現代風に言ったら、『自国を守るため』の一言でおわり。そう考える国があるから、世界から核はなくならない。ね、シンプルでしょ?」

 

村川「でもそれだと、自国を守る手段として、必ずしも『核』を保有する必要はないわけで、答えとして不十分だと思います」

 

人事「いいことに気がついたね。でもそれは、たいてい面接官が続けて質問してくれる。じゃあ、村川さん。なぜ、防衛手段として『核』をもつ国があるのだと思う?」

 

村川「それは...核には”抑止力”があり他に保有している国がある以上、自国もまた保有しなければならないジレンマがあるからです」

人事「その通り。じゃあ、なんで全世界の国がみんな持っているわけではないの?

村川「詳しくは覚えていませんが、新たに核を保有するのを禁じる条約があったと思います。」

 

人事「そうだね。新たに保有を始めることは条約があるから厳しい。かといって、既に保有している国は、他の国のことを考えると手放すわけにはいかない。大本を辿ると、保有し始めたのは自国を守るため。」

 

村川「(す、すごい。あんなに複雑だと思った問がすごくスッキリした...)」

 

人事「それじゃ、最後おまけの質問。日本は核を保有する必要があると思いますか?

 

ドクッ...ドクッ...

 

思い出せ...。シンプルに、シンプルに。

(ここで戦闘用の熱いBGMが流れ始める)

 

ドクッ...ドクッ...!!!!

 

(そうだ!閃いたぞ!!)

 

村川「いえ、その必要はないと思います」(キリッ

 

 

人事「なぜですか」

 

村川「その理由は、2つあります。第一に日本は、核保有国であるアメリカと安全保障条約を結んでいます。その条約により間接的に核の抑止力が他国に対し働いているため、日本が直接核を保有する必要はないと考えます」

 

人事「...ッ!」(←僕の妄想)

 

村川「そして第二に、日本は世界で唯一の被爆であることから、今後も世界に対し、核廃絶を訴えていく責務があると、私は考えます」(ドヤァ...

 

人事「...よい回答だと思います。今の、シンプルに考えるその思考を忘れないでください。村川さんのように、明快な回答をその場でできる人を、私達の省は欲しいと思っているのです」

 

村川「せ、せんせぇ!泣」

 

。。。

というのが、ある説明会でのときのこと。

割とガチで、僕の普段の考え方に影響を与えるイベントとなりました。

 

こういうのを、コペルニクス的転回というんですかね。

 

ちなみに、何が僕の中であったのかはわかりませんが、その日の夜、

僕は強力な吐き気に襲われ、めっちゃえづいてました。

しかも感情もこみあげてきて、えづきながら号泣していました(笑)

 

僕はこの説明会を受けて、もう一度公務員試験と向き合ってみようと思い、面接練習に顔をまた出すようになりました。

 

けれど、結局挫折して、全落ちしてしまったのはまた後のことで、当時の僕は知る由もないのであった。

 

ともあれ、シンプルに考える、ということ。

みなさんも暇なときに考えてみてください。

ではでは。

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